上場企業からスタートアップへ。握りしめた拳、流した涙。それでも彼は前を向く?


これは、当時24歳であった一人の青年の今まで誰にも語られなかった物語。

時は悠久の流れにしてとどまることはなく、当時から1年の歳月が経った・・・


まず、この物語の主人公でもある「パン氏」を簡単に紹介しよう。

パン氏は、新卒で人材サービスを行なっている上場企業に就職。

2年間その上場企業で勤務し、新卒3年目になるタイミング(24歳)でいわゆる京都のスタートアップ企業へ転職。


そのスタートアップの企業は、教育・コンサルを事業の軸とし、採用・研修・HRtechシステムの開発運用やマーケットデータの収集・分析などを行なっている。現在では、HRtechの事業は、経済産業局の認可事業となり、

これまで以上にスピードも出てきて、盛り上がりを見せている。


この物語は、そんな「パン氏」と「スタートアップ企業」(C社)と「社長」(時々ご家族)が織りなすヒューマンドラマ。読み終えた時、きっとあなたは自分の身の回りにあるもの全てが愛おしくなる。


GWが終わりにさしかかり、正月明けにも感じたような「ブルーマンデー症候群」(和名:サザエさん症候群)を少しでも和らげられれば、パン氏もきっと幸せであろう。




第1章:てめぇの待遇は、てめぇで決めろ。



パン氏は嬉々としてパソコンに向かっていた。

新しく就職したC社、社長よりあるメッセージが届いていた。


「労働条件プレゼン大会をします。」

(以下、実際のメッセージ内容より抜粋)


「労働条件プレゼン大会とは、自分自身が最もパフォーマンスを発揮しやすい労働環境と、その結果生み出す価値に対して自分なりに値付けをしてみる事を通じ、定期的に自己評価をしやすいようにする事、事業者感覚を持ってもらう事で、、会社がなくても自立して生きていける力を身につけてもらうことを狙いとしています。ウンヌンカンヌンウンヌンカンヌン・・・」


どうやら自らが働く労働条件を自分で決めることができるのだ。

「ふふふ。給料も自分で決めてええねんな。むふふ。」


パン氏は、〝好きな時間に、好きな場所で、好きなだけ〟をコンセプトに、

自らの勤務形態を裁量労働制で提案、必要とする給料も望み通りもらうことになった。


パン氏は幸せだった。こんな幸せなことがあるのだろうか?

自分が望んだ生き方。まさにその通り。ここは桃源郷か!

enjoy my life!!!! Love everythig!!! hoooooo!!!!



が、パン氏は甘かった。



労働条件プレゼンは半年に一度、半期の振り返りと共に行われる。

実はパン氏は、思うように実績が出せていなかったのだ。

もちろん、パン氏も実績が出せていない現実は知っていた。しかし、当時の彼はその状況を打開することはできなかった。


オフィス近所のコメダコーヒーにて、社長との面談。

パン氏の桃源郷は、パン氏の実力により失った。

(同時に自身がお金をよく使ってしまっていることを反省した)


当時のことを振り返り、パン氏は語る。「給料が下がる経験。これは人生でなかなかないかと思います。そんな経験ができたのはある意味大切ですし、非常に勉強になりました。」


「自分の働く環境を決める自由は、非常にありがたいです。ただ、何もせずして自由は得られないんだなと身を持って感じました。やはり、昔の人もそうでしたが自由を得るためには・・・」


相変わらず、パン氏のコメントはよくわからないが、

所得が減ったとしても、引っ越した京都の家の1階にはラーメン屋があるので夏に「G」が出そうな恐れがあっても、なぜか日に日にヒゲが濃くなってる気がしてても、


彼は、前を向いている。




第2章:社長とケンカ



パン氏と社長の関係は特殊だ。

パン氏にとって、社長は「自分の会社の代表取締役」であり、

数少ない「社内の先輩」であり(C社は従業員5名)「お仕事の師匠」でもあり、「人生の先輩」でもあり、「飲み仲間」でもある。


そんな、二人だが、様々な事件が起こっている。

「ランニング勝手にリタイア&勝手に担々麺事件」「コーンヘッド事件」など。

(写真はコーンヘッド事件。どう考えても彼の頭がでかすぎる。無修正です。)



あげればキリがないのだが、今回は、C社内でも「珍しかった」とささやかれている「カラッポブチギレ事件」をご紹介しよう。


パン氏と社長は研修の仕事で、東京・銀座にある企業へ行っていた。

その研修後、企業のみなさんとの懇親会に参加した。


そちらの企業様は、仕事にアツい。そして優秀な方が多かった。

パン氏は終始、その仕事の話を聞き「すごいなぁ。すごいなぁ。」と

アッチ向いてホイの勢いでうなづきまくっていた。


その懇親会後に、パン氏は社長と二人でカレーラーメン(これがめちゃうま)

を食べ、歩いている道にて。


社長が熱心に今日の感想やら話を聞いてきている際、パン氏の反射神経に任せた軽はずみな返事が炸裂した。

その返事を受けた社長が空気を噛み締め発した、ヒトコト。


「君は、カラッポやな。」


パン氏はキレた。キレた。

どちらかと言うと普段キレないタイプのパン氏がキレた。

そんなパン氏がキレた時にとる行動は、黙殺だ。黙殺した。

内部ではキレているが黙殺。もしかすると舌打ちぐらいはしていたのかもしれない。


その後、形だけでも社長の帰りの夜行バス乗り場まで、黙りながらついて行った。(パン氏は知人の家に泊まる予定)

東京メトロに揺られながら、「なんでそんなこと言われなあかんねん」とブツブツ言いながら知人宅へ。

(パン氏はキレすぎてどんな文脈で言われたかもはや覚えておらず。カラッポだけに反応していた)


「もうええわ!ドちくしょうが!」

溜池山王駅ホームにて、パン氏は涙を流した。乗り換えの仕方もイマイチわからず。


パン氏は当時のことを笑顔でこう振り返る。

「いやぁ、あれは確かにキレてました。

土日明けの社長との打ち合わせでは、ほんならマネジメントしてください!と謎なキレ発言をしましたね。(笑)」


パン氏にとって謎なら他の人にとっては、もう「宇宙」なことだったであろう。


カラッポと言われても、

GWに高校の部活の監督に久しぶりに会って「やっぱり色んな意味で頭よくないな〜(笑)」と言われても、駅のホームのサラリーマンの間で涙をたくさんこぼしても、


パン氏は、前を向いている。




第3章:花婿修行!子守タスク!



C社には一風変わったタスクがある。

それが「子守タスク」である。


これは名前の通り、社長が仕事の関係で留守をしている間、

必要に応じて子守をするタスク。

(社長は子ども4人いる。みんなかわいい)


パン氏は子どもが好きだ。

ただ、子守は割と苦手である。


特に赤ちゃん(0歳に限りなく近い子ども)の子守が苦手だそうだ。

何千グラムと質量的には絶対重くないはずだが、

抱えた時に感じる、限りない重さ。命の重さ。

これはパン氏にはまだ重すぎるようだ。


そんな子守タスクでは、4人の子どもたちとみんなと接することがある。

特に長男は野球が大好きで一緒に室内野球をすることが多い。


長男は厳しい。

バッティングにしろ、守備にしろ、「ちゃんと声だせよ!」と熱血。

アツいところが父親そっくりと感じつつ、

「バッチこーい!」とパン氏は叫ぶ。(野球は未経験)